第61回 客観的思考と深層的情報の重要性
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テキスト版
アジア新興国に参入する際に重要な戦略を、強固にすることが出来るものがこの「客観的思考と深層的情報」です。日本企業のモノ作りに対する主観的思考により、「こんなはずではなかった」というような状況に陥ってしまうことが少なくありません。それを防ぐためにも、「客観的思考と深層的情報」について解説していきます。=================================
みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は「客観的思考と深層的情報の重要性」についてお話しします。この番組でも再三企業がアジア新興国市場に参入する際には戦略が重要であるという話をしてきました。そして、この戦略の制度を高める事ができるのが、この客観的思考と深層的情報です。今日はこの2つについて一緒に学んでいきましょう。
まず、最初に申し上げたいのは、日本企業は自社のことをどうしても客観的に見る事ができずに、楽観的に見て過剰評価をして海外に展開をするというケースが少なくない。それは、総じて日本のメーカーというのはものづくりに長けてきた。アジアに出ても自分たち以上に優れた製品を作れる企業はないという自負がどうしても根底にあるがために、なかなか自社の事を客観視できない。一方で自社の事も客観視できない、自社の製品は優れていると思っているので競合の事もあまり深く調べるということもせずに出て行って、こんなはずではなかったという事に陥ってしまう。それを防ぐのがこの2つの客観的思考と深層的情報である。
まず1つ目の客観的思考というのは、自社の事をどれだけ分析、客観的に分析できるか、という際に使うんですが、多くの日本のメーカーは主観的思考で自社を見る。我々は、100年の歴史があり、日本でこれだけの実績を残してきて世界の強豪と比べても最も高い品質を維持している。最も高い技術力を持っているんだと、これが主観的思考。そうではなくてもっと客観的に自社を見ると。仮に100年の歴史があったとしても、海外では歴史は0だと。数年だと。もしくは日本では大きな実績があったとしても、それは日本の国内での話であって、海外ではそうではない。もっと客観的に自分たちの事を見る、こういう思考が重要である。一方で競合に関しては表面的情報ではなくて、深層的情報を得ることが必要。例えば表面的情報とはどういうことかというと、自社の現地法人の自社の営業マンが上げてくるような競合の情報。そのようなレベルの情報は、正直戦略を立てる上では情報としてはあまり使えない。もちろん、競合にとっては1番知られたくない相手である、自社、我々の自社の営業が拾ってこれるような情報ですから、正直情報の価値としてはそれほど高くない。そうではなくて、敵が知られたくないような深層的な情報をどれだけ取ってこれるか。そしてそれを分析して戦略に盛り込めるかということが重要なので、自社のことはいかに客観的に見るか。そして他社のことはいかに深く可視化し調べられ上げることができるかと。この2つが戦略の制度を高める上では大変重要になっていきます。
それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。