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アジア新興国市場 調査の重要性

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。もしかしたらこの動画がアップされるまでに何回かちょっと飛ばしてしまってるかもしれないなということでね、最近すごく、すみません、バタバタしてしまって、収録をする時間がなかなか撮れなくて、1回2回もしかしたら飛ばしてしまっているかもしれないので、視聴者の皆さんにはご迷惑をお掛けしますが、引き続き頑張って収録していきますので、よろしくお願いします。

ということで、今日は、調査の重要性ということについてお話をしていきたいなというふうに思うんですが、アジアに限らず新興国市場にね、参入じゃなくてもいいんですけど、すでに参入しているケースがね、アジアなんかだとほとんどなので、どちらかと言うと、さらにシェアを上げていくという段階で、調査の重要性、可視化の重要性と言ってもいいかもしれませんけども、そのことについてお話をしたいなというふうに思います。やっぱりわれわれもいろんなメーカーさんからお問い合わせいただく中ですごく感じるのが、調査をなかなかしてないなという。本来は調査をしているとある程度分かっていることが分かっていないので、なかなか繰り広げようとしている戦略のレベル感が、やっぱりほかのアジア新興国市場で、今、高いシェアを持っているような、欧米の先進的なグローバル企業に限らずね、ローカル企業と比べても、すごくマイナスになってしまっているなというケースというのは多々見受けられます。調査が重要だ、うちでもっと調査してくださいみたいなね、セールストークみたいなふうに聞こえてしまうとあれなんですけど、やっぱり僕、この20数年間やってきて思うのは、やっぱり調査って、調査だけではもちろん駄目なんだけども、調査がいかに自分たちの仮説の精度を上げるかっていうことを申し上げていて、そのことをちょっと図で説明をしていきたいなと思うんですけど…。

スライドをお願いします。このスライドの通りなんですけど、インプットが多いという、上のスライドと下のスライドとありますけども、インプットが多い企業が上で、インプットが少ない企業が下なんですけど、インプットが多い、言ったら調査をしている会社と、インプットが少ない、調査をしてない会社、インプットというのは調査をして得た情報ですよね、情報が多い会社と少ない会社って何が変わってくるのかという話なんですけど。情報が多いとね、競合のこと、市場のこと、流通のこと、いろんなことを知ってますから、自分たちが立てる仮説の精度が非常に高いんですよね。仮説の精度が高いということは、その仮説を実践するのが戦略ですから、戦略ってアウトプットですよね、インプット、情報をインプットして、仮説の高い精度でアウトプットする、戦略を出していくと。そうするとね、やっぱり仮説の精度が高いので、実際にそれを実践したときに誤差が少ない。仮説は必ず変わるんです。なので、誤差は絶対出る。でも、この誤差がどれだけ小さいか、少ないかということが、また次の仮説を立てて修正して再び走るためには非常に重要で、いかに仮説の修正幅を少なくするかということはすごく重要なんですよね。こうすることによって成功の確率が上がるので。確率論ですから、基本的には仮説の精度が低い会社ね、例えば、分からないですけど、分かりやすく言うと、ASEANね、暑いから、例えば情報のインプットの少ない…。ごめんなさい。一方で、じゃあ、インプットの少ないほうを先に説明しようかな。インプットの少ない会社というのは仮説の精度が低いですよね。仮説の精度が低いということは、実践との誤差が大きいので、実践をね、走りながらその大きな誤差を修正しきれないから成功する確率が低くなってしまうよと。そして、途中で停滞をしてしまったり、撤退をするということになる。

例えばなんですけど、仮説をね、インプットの少ない会社と多い会社でね、分かりやすく言うとね、こんな会社はいないと思いますけど、めちゃめちゃ分かりやすく言うと、ASEANに展開をするときにね、「ASEANって暑いね。暑いからきっとエアコンが売れるはずだ」と言って、エアコンを売ろうとすると。これ、インプットが少ない会社は、「ASEANは暑い」というインプットしか持ってないんですよね。だから、「暑いところは涼しくするためのエアコンが必要だ。さあ、出よう」と言って向こうに現地法人をつくって、エアコン工場をつくって、うわーっと出ていく。一方で、仮説が多い会社。「暑い」というインプット以外に、でも、「もうすでにエアコンの家庭における保有比率は高い」という情報を持っていたらね、いや、暑いからエアコンは必要なんだけども、むしろエアコンってもう各家庭に入っていますよと。もっと情報を持っている。さらに「温度設定がもう17度で、日本で27度とか言っているのに、17度でどこに行っても寒いです。キンキンです。タクシーの中、ホテルのロビー、ホテルの部屋、エアコン切っても寒いですよ」ぐらいまでの情報を持っていると、例えば「体が冷えるから、冷え性を治すような、こんなものが売れる」とかね、新しい発想が出てくるので、情報を持つということはすごく重要なんですよね。事業を何やるかも全然変わってくるので、「暑い」だけのインプットを持っている人と、「暑いけど、エアコンの保有比率が高くて、さらにその設定温度が低い」という3つの情報を持っている人では、どういう事業をやるかということがまったく変わってくるわけですよね。なので、この調査というのはほんとに重要で。調査の費用なんてたかが知れている。ただ、実際にアクションを起こしてしまったら、それはもう、相当なダメージだし、撤退ってね、やっぱりレピュテーションリスクも非常に大きくあるので、どれだけ情報を集めるか。この情報収集に予算をケチってしまうような会社は、僕が見てきた中では、なかなかちょっと、新興国市場ではなかなか成功するのは難しいかなという気がします。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。