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第80回 シェア拡大のためのKPI

テキスト版

皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日はアジア新興国市場において、シェアを拡大させるための二つのKPIについてお話をします。この二つのKPIは、既に大きなマーケットシェアを持っている先進的なグローバル消費財メーカーが実際に設定をしているKPIです。そして、日本の成功している消費財メーカーも、このKPIを使っています。アジア新興国市場で、マーケットシェアを上げるためには、この二つのKPIは必須事項になります。今日は一緒にその二つのKPIを学んでいきましょう。

まず、最初に申し上げたいのは、なかなかアジア新興国の市場でシェアの上がらない消費財メーカーは、一見忙しく仕事をしているように見えるんですが、まったくもってシェアの拡大につながることはできていない。アジア新興国で消費財メーカーがシェアを上げたければ、利益を出したければ、売り上げを拡大させたければ、もうこの二つのKPIを設定して、ひたすらそれをやるという以外にありません。その一つがストア・カバレッジであり、もう一つがインストア・マーケット・シェアです。

ストア・カバレッジというのは、この番組でも再三説明してきましたが、私はときに間口というふうに呼んだりもしますが、配荷をしている店舗数です。自分たちの商品が置かれている店舗の数を、私はストア・カバレッジと呼んでいる。一方で、インストア・マーケット・シェアというのは、インストアシェアとは違って、インストア・マーケット・シェアというのは、例えば1店舗あたりの売り上げが100万円だったとき、100万円の中の自分はガムを作っているメーカーで、ガムの売り上げが5万円だったとする。この5万円を3社が取り合ったとしたときに、いかに自分たちがこの5万円のうちの2万円を取れるか、3万円を取れるか、4万円を取れるかというのがインストア・マーケット・シェア、これが縦軸。ストア・カバレッジが横軸で、インストア・マーケット・シェアが縦軸であると。
そうしたときに、消費財メーカーが高いマーケットシェアを出していくには、取り扱い店舗数を増やさないと、絶対にマーケットシェアは上がらない。だって、置かれてないものをどうやって買うんですか。いかに消費者が買いやすい場所に置くか。アジア新興国は、圧倒的に近代小売よりも伝統小売のほうが数が多い。そうすると消費者にとって買いやすい場所というのは、近代小売はもちろんなんだけど、伝統小売でもあるわけですよね。そうすると、いかに伝統小売におけるストア・カバレッジを上げるか、というところがステップ1として非常に重要だと。ただ、ストア・カバレッジを上げるというのは、チャネルへの投資であって、物理的に皆さんの商品を置くという行為だと。置いたものが消費者に選ばれなければ、それはすぐに撤去されてしまうので、いかにストア・カバレッジを拡大させながら、置いた店舗の商品が売れるような仕掛けをしてインストア・マーケット・シェアを上げるか。これがまさにプロモーションへの投資なわけですね。BTL、ATL含めたプロモ―ション投資が、インストア・マーケット・シェアを上げる。チャネルへの投資が、ストア・カバレッジを上げる。これをひたすら繰り返して、アジア新興国だと最低でも5万店。10万、20万、30万店とストア・カバレッジを上げて30万店のストア・カバレッジを持っているということは、絶対に売れているということです。インストア・マーケット・シェアが高くなければ、30万店のストア・カバレッジを維持することはできないので、売れているということになる。
そこまでいくと、全てが好転して高いマーケットシェアを継続して維持できる。売り上げも上がり、利益が出てくる。P&G、ネスレ、ユニリーバ、日本でいうとベトナムのエースコックや、インドネシアのマンダム、ASEANのユニ・チャームなどは、このストア・カバレッジと、インストア・マーケット・シェアが高いから、彼らのアジア新興国事業がうまくいってる、ということにつながっています。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。