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第82回 先進グローバル企業から学ぶKSF

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皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、先進グローバル企業のKSFについてお話します。
KSF Key Success Factorの略ですが、日本語にすると主要成功要因。欧米の先進的なグローバル消費財メーカーは、日本の消費財メーカーよりも、アジア新興国市場での大きなマーケットシェアを持っていると。つまりは日本の消費財メーカーよりも成功している。その成功している彼らの主要な成功要因とは一体何なのか。それを知ることで、われわれは何を学ぶことができるのか。今日はそんな観点で、一緒に学んでいきましょう。
まず最初に申し上げたいのは、欧米の先進的なグローバル消費財メーカーは、大きく分けて三つの主要な成功要因を持っています。そして今日お話する「中間層ターゲティング」というのは、彼らの主要な成功要因の中でも、最も重要で、この1番目の「中間層ターゲティング」という主要成功要因を、しっかりと理解しないと、このあと控えている二つ目、三つ目で、大きな間違いをしてしまうぐらいに、今日のこの「中間層ターゲティング」は大変重要であると。
「中間層ターゲティング」とは一体何なのか。つまりはターゲットが中間層からぶれないということなんですよね。欧米の先進的な消費財メーカー、彼らがアジア新興国でビジネスをする際に、ターゲットが絶対に中間層。日本の消費財メーカーのように、自分たちの商品はいい原材料を使って、高い技術で、いい商品を作ってるから、売価も高いんだと。そんなものが買えない中間層は相手にせずに、富裕層を相手にしよう、ターゲットにしよう、ということをアジア新興国で一切やらない。なぜならば、アジア新興国の最大の魅力は、拡大する中間層にあるから。2030年にアジア中間層の人口は、約30億人になるといわれている。この30億をとるために、欧米の先進的なグローバル消費財メーカーは、アジア新興国でビジネスをしていて、その中で確かに富裕層もいるし拡大はしているんだけど、富裕層の数といったら、G7のほうが圧倒的にまだまだ多い。富裕層を狙ったところで、なんの商売としてうまみはないわけです。
従って、このメインストリームにどれだけ自分たちの商品をあてはめるか、ということを、彼らはしきりにやる。中間層のための商品を、中間層が買える価格で販売をし、中間層が手に取りやすい場所において、中間層が選びたくなる仕掛けをする、というのが彼らの4Pマーケティング、マーケティングミックスである。プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション。
日本の消費財メーカーの場合は、基本的には日本で売っているものを、できればあんまりいじらずにアジア新興国で売りたい。結果として、中間層や貧困層は買わないので、上位中間層とか富裕層という言葉が生まれてきて、そこに商売をし出す。そうなってくると、MTモダントレード主体のマーケティング戦略になり、TTトラディショナルトレードがおろそかになる。一方でアジア新興国はトラディショナルトレードのマーケットなので、そこをとらなければならない。そしてMTをとるディストリビューションネットワークと、TTをとるディストリビューションネットワークというのは全く異なるので、MTに強いディストリビューションネットワークをつくっても、TTは絶対にとれない。全部がつながってるので、一番重要な中間層をターゲットにする、ここからずれない、ということがずれてしまうと、その先の戦略が全部ずれていく。これが、欧米先進グローバル消費財メーカーが最も重要視をしている、アジア新興国を攻める上での一番最初のKey Success Factorということになります。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。