HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » 第89回「輸出ビジネス」から「チャネルビジネス」へ

動画番組 スパイダー・チャンネル

第89回「輸出ビジネス」から「チャネルビジネス」へ

テキスト版

皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、輸出ビジネスからチャネルビジネスへ、というお話をします。多くの日本の消費財メーカーは、アジア新興国市場において、まだまだ輸出ビジネス止まりでいます。しかしこの輸出ビジネスをいかにチャネルビジネスに変革させていくか、ということが今後のアジア新興国市場でのさらなる成長、マーケットシェアに大きく寄与します。今日は輸出ビジネスとチャネルビジネスの違い、そしてなぜチャネルビジネスを、消費財メーカーは行わなければならないのか、一緒に学んでいきましょう。
まず最初に申し上げたいのは、日本の多くの日本の消費財メーカーはいまだに輸出ビジネスをしている、という点でございます。輸出ビジネスとは一体何なのか、ということなんですが、これは日本国内外の輸出入商社に自分たちの商品を売り切って、あとはおまかせをするという商売を、私は輸出ビジネスというふうに呼んでいます。この輸出ビジネス自体は、決して悪いものではありません。アジア新興国市場に展開をしていく際の、企業が採る一番最初のステップとしては、この輸出ビジネスは間違っていないと。ただ、この輸出ビジネス、消費財メーカーにとって最も重要な小売りとの関係や、消費者との関係を一切無視したビジネス。
基本的には輸出入商社に売り切りのビジネスですから、そこから先が分からないというのが、この輸出ビジネスの最大のネックです。つまりは、自分たちの商品がどのような中間流通事業者を通じて、どのような小売りに、どのように置かれて、どのような消費者がそれを手に取って、何を思ってそれらを購入して使って食べて、リピートしているのか否かを、一切見えなくするビジネスが輸出ビジネスであると。従って、この輸出ビジネスをしている中で、売り上げが思うように成長しないときの言い訳は二つしかない。一つは、現地の景気が悪くなった。もう一つは、為替で円高になってしまった。景気と為替を言い訳にするようなものは、ビジネスとは呼びませんので、輸出ビジネスというのはやっぱり限界があると。
ASEANでいうと、1カ国10億、20億が限界だと思います、食品メーカーで。もちろん取り扱ってるものが違うので、消費財メーカーといってもまちまちですが、日用品、食品メーカーだと、ASEANの場合だと10億、20億が、おそらく限界でしょう。そして消費財メーカーは、例え日本でつくったものを日本から輸出するという輸出型であったとしても、チャネルビジネスをやらないといけない。このまま輸出型のビジネスをしていけば、いつまでたっても10億、20億の壁は越えられず、そこから先にはいけない。そして市場が成熟したタイミングで、その市場からは淘汰されてしまう。なのでどこかのタイミングで、輸出型のチャネルビジネスに変わらないといけない。
輸出型のチャネルビジネスって一体何なのか。先ほど申し上げた、自分たちの商品を、どのような中間流通事業者、中間流通事業者というのはディストリビューターですね。ディストリビューターを通じて、どのような小売り、これはMT、TT含めて小売りに、どのように置かれて、どのような棚で、何SKU、どういうふうに置かれているんだ。そしてそれをどのような消費者が購買して、何を思ってリピートしているのか否かを、完全に把握するビジネスを輸出型のチャネルビジネスと、われわれは呼んでいる。ビジネスモデルそのものは輸出型、日本からの輸出であって構いません。ただチャネルビジネスをしている以上、この輸出ビジネスの港から港への売り切り、あとはお願いしますビジネスとは全く違った次元でマーケットを見ることができる。より消費者に近づける。そういう意味で、現地でのビジネスは格段に成長していく。そしてここである程度の利益やマーケットシェアを取れれば、皆さんの会社の経営も、現地に設備投資をして、現地でつくったものを現地で売ろうと。現産現販型のチャネルビジネスをやっていこう、というマインドに経営が変わってくる。
ただ現地で全く売れてないのに、いきなり工場投資をする。これ、無謀以外のなにものでもないので、まずは輸出ビジネスである程度の数字をつくって、そこから輸出型のチャネルビジネスで、さらに数十億ふくらませ、最終的には現産現販型のチャネルビジネスで、そのマーケットでシェアをとっていく、というのが消費財メーカーのたどるべき道筋だと私は考えています。消費財メーカーにとって究極は、現産現販をするということなので、いかにここに近づくか。ただそのためには、輸出ビジネスからチャネルビジネスに展開をする必要があるのです。
それでは皆さん、また次回お会いしましょう。